【大学生の国民年金】学生は保険料免除?学生納付特例の申 請方法や注意点について

こんにちは。大学生の保険室、運営担当の田代です。

大学生の皆さんは、20 歳になったら成人を迎えるとともに新しく何か加入しなければいけないものがあります。
……そうです!国民年金です。

自宅に青い年金手帳と書かれた手帳が届いていると思います。

なんと 20 歳を迎えたら国民年金に強制加入し、毎月保険料を払わなければいけません。

その額、1 か月あたり 16,540 円 (令和 2 年度)
毎月この金額、払えるのかな…
学生にとっては少々痛い出費ですよね

しかし!そんな学生にとっての救済措置。

“学生納付特例制度”という制度があります。
今回は学生納付特例制度とは?どんな制度で何が特例なのか
詳しく紹介していこうと思います!

学生納付特例制度とは

学生納付特例制度とは、対象となる学生が申請することで国民年金の保険料が在学中に限り猶予される制度です。

つまり、一か月あたり 16,540 円の保険料が猶予されるということです!
ここで注意してほしいのが、猶予=免除ではありません。
次に猶予と免除の違いについて説明していきます。

保険料の猶予=免除ではない!

保険料の免除とは、本来支払うはずの保険料を払わなくていいという意味です。
支払う義務がなくなったと考えるとイメージしやすいですね。
次に猶予とは、支払うはずの保険料を今は払わなくていいよと捉えるとわかりやすいです。


学生のうちは支払わなくてもいいけど、その分社会人になったら払ってくださいね!ということです。

十分な収入がなく経済的に保険料の支払いが厳しい学生は、この制度を利用して一時回避することができますね。

免除と猶予の違いはイメージできたでしょうか?
ここでもう1つ。

猶予と免除の違いは、将来受け取ることができる年金額にも影響します。

減免の別老齢基礎年金を受けるための加入期間老齢基礎年金額への反映
免除
(全額)
加入期間になる減額される(年金額の1/2)
猶予
学生納付特例制度
加入期間になる反映されない 0 円

猶予の場合は、猶予期間中は将来の年金額に反映されません。
反映されない=そのままでは年金額が減ってしまうということです。

猶予のままだとどれくらい年金が減る?

学生納付特例制度を 2 年利用し、そのまま納付しなかった場合を例に計算すると
老齢基礎年金は原則 20 歳~60 歳までの 40 年間で支払った保険料をもとに計算します。
40 年間毎年納付した場合は、年金額は満額で 78 万 1,700 円受け取れます。(令和 2 年度)
しかし、2 年間(24 か月)保険料を支払わなかった場合は

満額 78 万 1,700 円×(480 カ月-24 カ月) / 480 カ月=74 万 2,615 円となります
保険料を支払った月数は 40 年間
およそ2 年間払わないだけで、約 78 万→約 74 万減ってしまうのは大きいですよね。

ここでポイント!
老齢基礎年金とは、私たちが 65 歳以上に達した時点で支払われる年金です。
受け取るには条件があり、
①保険料を納めた期間+保険料免除期間=10年以上
②65 歳以上
以上 2 つを満たさなければ年金が支給されません

まとめると、
猶予期間中は①の期間条件には影響しないけど受け取れる年金額には影響する(反映されない)ということになります。

しかし!年金額が減る場合はそのまま納付しなかった場合に限ります。
冒頭で説明した通り、学生納付特例制度は「今払えない分は将来払ってね」という制度。
しっかりと猶期間中の保険料を追納すれば年金額は減りません。
次に、追納とはどういうことか、注意点とともに説明していきます。

猶予期間中の保険料は追納できる

保険料を追納する=先延ばししていた保険料を支払う
後から保険料を納めるということです。

通常、年金保険料を追納できるのは過去 2 年間のみですが
学生納付特例制度では過去 10 年間にわたって追納することができます。

まさに特例、学生の特権ですね。

しかし!ここで注意しておきたいことが
本来納付する時期から 3 年目以降は追加加算額が発生します。

追加加算額はどれくらい加算されるかというと、以下の表の加算額という欄が追加されます。

令和 2 年度追納分

出典:学生納付特例制度

ここまで学生納付特例制度の中身について紹介していきましたが、次に対象となる学生はどんな学生なのか、紹介していきます。

学生納付特例制度・対象となる学生

学生納付特例制度を利用するには、学生個人の前年度の所得が一定以下であることが条件になります。

所得基準は
(118 万円+扶養親族の数×38 万円+社会保険料控除額)以下となります。

扶養親族とは、学生が扶養している親族をさします。
なかには学生結婚や子供がいる学生もいますよね。
そういった方たちは、自分が扶養している親族の数×38 万円が加算されます。
また、対象となる学生は

大学、専門学校(1 年以上の課程)、短期大学、高等学校や特別支援学校などを含みます。

夜間、定時制、通信制の方も含まれるのでほとんどの学生が対象となります!

学生納付特例制度の申請方法

学生納付特例制度を利用する際には、
申請書類を郵送または窓口に提出しなければいけません。
申請先は
・住民登録をしている市役所の国民年金担当窓口
・最寄りの年金事務所
申請書は、日本年金機構からダウンロードできます。

注意しておきたいことが、申請する際は必ず年金手帳と学生であることを証明する書類(学生証など)が必要です!
申請する時期ですが、原則として申請日に限らず、4 月から翌年 3 月までの期間が対象となります。
例えば、2020 年 10 月に申請すれば 2020 年 4 月~2021 年 3 月までの期間が対象となります。

2021 年 3 月に申請しても、対象期間は 2020 年 4 月~2021 年 3 月となります。

まとめ

今回は国民年金に関する、学生納付特例制度について紹介していきました!
学生である今は経済的に厳しいけど、社会人になってからなら支払いができそう。
そんな学生のために知ってもらいたい制度です!