
こんにちは、大学生の保険室 運用担当の田代です。
生理前になるとイライラ、不安を感じる、頭痛、胸の痛みや張りを感じる、関節痛以上の症状が頻繁に表れる方はいますか?
また、生理中は腰が重たく感じる、つらい生理痛に悩まされる
このような症状に悩まされる方は、低用量ピルの服用によって改善されるケースが多いです。
避妊だけではなく、PMS 症状・生理痛・生理周期やニキビの改善効果もある低用量ピルについて
今回は保険が適用されるのか、自費との違いや効果、副作用について紹介していきます!
低用量ピルとは
低用量ピルは、1 日 1 錠を継続して飲む薬です。
どのような効果が得られるのか、注意点とともに紹介していきます。
効果
ほぼ 100%の避妊効果があります。コンドームは、性感染症の予防もでき手軽に入手可能ですが、避妊率は約 85%と言われています。
ウ ィ メ ン ズ ク リ ニ ッ ク か み む ら 『 避 妊 に つ い て 』
1 年間に5%の人が失敗するともいわれ、避妊を行う際に最も使用されている割に避妊率は高いとは言えません。
しかし、低用量ピルは毎日 1 錠飲むことで脳を“妊娠しているように”だまし排卵をストップさせるため、ほぼ 100%の避妊効果を発揮できます。
生理痛の緩和
生理痛は、排卵によって分泌されるプロゲステロンという物質が、子宮内膜に働きかけることが原因で起こります。
この物質の分泌量が多くなると子宮の収縮を促す力が強くなり、子宮の収縮が強すぎるとキリキリといった生理痛を感じます。
しかし、低用量ピルは排卵を抑える効果があるのでプロゲステロンの分泌も抑えられ、生理痛が緩和されると言われています。
肌荒れ・ニキビの改善
ニキビの原因は、皮脂の分泌を促す男性ホルモンとプロゲステロンにあると言われています。
しかし、低用量ピルは外部からホルモンの量をコントロールし、ホルモンバランスを整える役割があるため
男性ホルモン、プロゲステロンの分泌を抑える→皮脂が出にくくなる→ニキビができにくくなるといった効果があります。
生理周期が安定する
“ホルモンバランスの乱れ“と聞いたことはありますか?
生理のリズムは、女性ホルモンの分泌によって生じます。ホルモンは日々のストレスや疲れによってバランスを崩すこともあり、このホルモンバランスが乱れることによって生理不
順を引き起こします。
低用量ピルはホルモンバランスを外部から整える役割があるため、生理周期が安定します。
PMS の緩和
PMS の症状は
・やる気が起きない
・不安感
・否定的な考え
・むくみ
・頭痛
・抑うつ
肉体面・精神面の両方からつらい症状が現れます。
PMS の原因は、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンと言われています。
プロゲステロンは生理痛の原因でもあり、食欲を増したり基礎体温を上げたりするといった役割があります。
正確な原因は不明ですが、現在ではこのプロゲステロンの増減が体に何らかの影響を及ぼし、むくみや頭痛などの症状を引き起こしていると言われています。
しかし、上記で紹介したとおり、低用量ピルはプロゲステロンを抑える効果やホルモンバランスを整える効果があるため PMS を緩和させる効果があります。
低用量ピルの注意点
低用量ピルを服用する際は、2つの注意点があります。
費用がかかる
低用量ピルは平均 1 か月あたり、2,000 円~4,000 円程度です。
採血と子宮頸がん検診は必ず受診
継続して服用する場合は、副作用がないかの確認を含め 1 年に 1 度の採血と子宮頸がん検診が必要です。
子宮頸がん検診は 20 歳から受けることができ、住民票のある市町村で受けることができます。
市町村によっては無料で受診することができるので、事前の確認をお勧めします。
性感染症は予防できない
低用量ピルは避妊目的であれば、ほぼ 100%の避妊効果が期待できます。
しかし、低用量ピルだけでは梅毒やカンジダ、HIV といった性感染症の予防はできません。
余談ですが、HIV は感染してから数年~10 年で症状が現れます。
現在では、医療が進歩したおかげで病気の進行を遅らせる薬が開発されましたが、HIV が完全に体からいなくなることはありません。
低用量ピルは保険適用される?
低用量ピルは使用目的によって、保険が適応される場合とされない場合があります。
保険が適応される場合
治療を目的とする場合には保険が適応されます。
主に、月経困難症や子宮内膜炎の治療の際は保険が適応されます。
月経困難症・PMS
月経困難症とは、イライラや不安感、生理痛、腹痛、胸のはりといった症状のことをいいます。
これらの症状には PMS も含まれていて、症状を改善したい目的であれば健康保険が適応されます。
子宮内膜炎の治療
子宮内膜炎とは、子宮内へ細菌が入り込み感染することで、子宮内膜に炎症が起こる状態をさします。
原因は
・タンポンの長期間使用
・性行為による感染症(クラミジア菌、淋菌など)
細菌の増殖を抑えるために低用量ピルを服用するといった治療目的であれば、健康保険が適応されます。
保険が適応されない場合
健康保険が適応となるのは、病気やケガの治療による診察のみとなります。
そのため、避妊目的に服用する場合は保険適用外となります。
※診察する際に、医師から使用目的を聞かれた際には治療目的か避妊目的なのかを告知する必要があります。
保険適用後の費用
病院によって価格は変わっていきますが、ここでは保険が適応される低用量ピルと適応後の費用について紹介していきます!
保険適用のピル
保険適用となる低用量ピルは、月経困難症や子宮内膜炎の治療を目的として作られています。
・ルナベル通常タイプ LD 約 2,000 円~
・フリウェル LD 約 820 円~1,600 円程度
・ジェミーナ配合錠 約 2,000 円~2,600 円程度
病院によって 1,000 円程度の差がでる場合もあります。
保険適用の 3 割で約 2,000 円前後なので、自費診療で処方される低用量ピルと比べても大きな差はありません。
低用量ピルの副作用
生理痛・PMS・ニキビの改善など女性にとって心強い低用量ピルですが、起きやすいが心配しなくていい副作用とまれに現れる注意すべき副作用があります。
起きやすい副作用
かるいムカムカ、頭痛、むくみなどは起こりやすいです。
しかし、生理期間中のようにずっと続くのではなくほとんどの場合は 10 日ほどでなくなります。
※個人差によっては、2~3 カ月ほど続く場合もあります
また、飲みはじめのころは不正出血、無月経が起きることもあります。
無月経・・・生理が 3 カ月以上ない状態
飲みはじめのころはホルモン状態が不安定なため、このような症状が続くかもしれません。
不正出血や無月経は 2 カ月ほどで落ち着きます。
注意すべき副作用
低用量ピルは血栓症を引き起こす確率を2~3倍にします。
血栓症とは
血栓症とは、血流、血管のいずれかに異常が起きることによって血中に塊ができ、血管をふさぐことで様々な臓器障害を引き起こす病気です。
主に動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞を引き起こす可能性が高いです。
血栓症かもしれない症状
・息苦しい
・胸が痛くなる
・頭痛
・目の前がちかちかする
このような症状が現れた場合は血栓症の初期症状である可能性が高いです。
処方できないケース
・激しい頭痛や片頭痛がある
・目がかすむ
・現在、妊娠中または授乳中
・血圧が高い
・喘息もち
・うつ病を患ったことがある
・てんかんを患ったことがある
・糖尿病を患ったことがある
以上のケースは、大学生にも関係がありそうなケースを紹介しました。
キラキラ光が見えてから片頭痛が起きる方は、処方できません。
まとめ
今回は、低用量ピルの効果や保険が適用されるか、副作用について紹介しました!
保険は避妊目的でなければ保険が適用されること、今回の記事で知っていただければ幸いです。
低用量ピルについてよくある質問が、太らないか?将来不妊になったりしないか?といった質問が多くあります。
副作用である“むくみ”を太っていると感じてしまうこともありますよね。
しかし、このような副作用はほとんどの場合は 10 日ほどで治まります。
不妊の可能性についても、低用量ピルが原因で不妊になることはなく、服用をやめてから、約 2.3 か月後には元の体質に戻ります。
低用量ピルは値段で選ばずに、目的別で選ぶ。
保険が適応されても大きな差はありませんので、目的にあった低用量ピルの選び方が大切です。
自分がどのような目的で服用するのか、病院の先生ともよく相談しましょう!
また、アフターピル(緊急避妊薬)は保険が適応されるのか?
別記事で紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
(→アフターピルは保険が適用される?値段・効果・避妊に対す る意識調査)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!