【比較検証】Uber Eats の配達員保険と学生賠償責任保険の補償内容や保険金などを比べてみた!

大学生の保険室 運用担当の田代です。

最近、四角い黒のリュックを背負って自転車に乗っている方、見かけること多くないですか?

そうです、Uber Eats の配達員の方です!

副業としても人気な Uber Eats。大学生の皆さんも利用したことがある、配達員のバイトをしたことがある方は多いのではないでしょうか。

しかし!新型コロナウィルスの影響で需要が高まりつつある反面、配達中の交通事故が急増しています。

現状、配達員用の保険はあるのですが、はたして補償は十分に備わっているのでしょうか。

そこで今回は、Uber Eats 配達員用の保険学生賠償責任保険、それぞれの特徴を比較していきたいと思います。

Uber Eats の配達員を検討している方、ぜひこの記事を読んでどちらの保険が自分に合っているのか比較してみてください!

Uber Eats による悲惨な事故

保険比較をする前に、知ってもらいたい現状があります。

新型コロナウィルスの影響でデリバリーの需要が高まり、それに伴い配達員の人数も増えていきました。

実際に配達中の事故件数は急増しており、配達員の労働環境改善を目的とする Uber EatsUnion の報告によると2020 年 1 月~3 月にかけて、約 30 件の事故が報告されました。

最も多い事故は

・ほかの車両との衝突事故 約26%
・転倒事故 約23%
・追突事故 約16%

アプリ上の地図を見ながら配達するため、視界が狭まり“周りの交通状況を認知していない”状況になりやすいことが原因のようです。

事故後、「治療のため仕事を休んだ期間」については、

・1~2週間 42%
・1か月以上 19%
・なし 16%
・3カ月以上 13%

報告された中で最長8カ月間休業した方もいて、配達中の事故は重傷化しやすい傾向となっています。

また、事故にあった配達員の約半数(46%)が20代という結果も出ています。

~事故の一例~

配達員自身が被害にあう事故の一例

2020年4月、東京都内の住宅街で21歳の大学生が配達中に車と衝突。
自転車で交差点に進入し、左から来た車と出合い頭に衝突し、その後死亡。

一方、配達員が事故の加害者となってしまう場合も……

東京、品川の路上で女性が歩道を歩いていたところ、自転車配達員と正面衝突。
女性は目に傷を負い、むち打ち症と判断され手術を受ける重体に。

このような事故が相次ぎ、Uber Eats は配達員用の保険プログラムを開始しました。

次に、Uber Eats 配達員用の保険について、補償内容や注意点を紹介していきます!

Uber Eats 配達員保険とは?

Uber Eats の配達員自身を守る・事故が起きた場合に相手側の生活を保障するために作られたサポートプログラムです。

保険料は無料で、Uber Eats と配達パートナーとして契約した時点から自動で加入されます。

そのため、必要な手続きや費用は発生しません。

加入対象者

加入できる対象者は全配達パートナーです。
必要な手続きはありません。

補償対象

Uber Eats 配達員保険では自転車はもちろん、原付バイク・バイク・軽自動車すべてが補償対象です。

保険適用期間

原則、保険は「配達中」にのみ適用されます。

ここでいう配達中とは、「注文受付~配達完了」の間のことをいいます。

そのため、注文受付までの待ち時間で起こった事故は補償されません!

Uber Eats 配達員保険の補償内容

Uber Eats 配達員保険には、配達中に事故が起きた際の

・相手側への損害賠償を補償
・自分が死傷した際の治療費などを補償

この2つの補償から成り立っています。

それぞれどんな時に保険金が下りるのか、補償額などを紹介していきます。

それでは、順に見ていきましょう!

対人対物賠償責任(相手側への賠償責任)

配達中の事故により、相手側にケガを負わせた、亡くなってしまった、物品を壊してしまい法律上の賠償責任を負った場合に補償します。

例えばこんな時

・配達中に歩行者とぶつかりケガを負わせた。
・商品の受け渡し時に誤って料理をこぼし、注文者にやけどを負わせた。
・配達中の事故により相手側の車両に損害を与えた。

また、補償額は上限1億円です。

1億円と言われても十分な額なのか想像できないですよね。実際に起きた自転車の死亡事故例を挙げると

平成20年、自転車に乗っていた小学5年生が60代の女性と正面衝突。女性は頭を強く打ち脳挫傷の重症。一命はとりとめましたが、意識障害や自由に動けなくなるといった後遺障
害が残りました。

なんとこの事故の賠償額、約 9,500 万円という判決が下りました。

なぜこんなにも賠償額が高いのか。それは後遺障害の慰謝料が1つの要因です。

働けなくなったあるいは家事ができなくなったことに対する賠償が、ここまで金額が高くなったともいわれています

9,500 万円だったら1億円で足りるのでは?そう思う方も多いですよね。

しかし、この事故の被害者は60代の方です。もし被害者の方がこれから働き盛りの 20 代でしたらどうでしょうか。

後遺障害の額はより高くなり、1億円は超えてしまいますよね。

なんとなく、1億円の補償額がどのくらいの規模感か、把握できたでしょうか。

Uber Eats の配達員保険に戻りますが、注意点が1つ。

配達中の乗り物が 125 cc以下のバイクの場合は、配達員に対し最大 5 万円の自己負担金が設定されています。

次に、事故が起こった際の配達員自身の補償を紹介します!

傷害補償(配達員自身の死傷による補償)

配達中の事故により配達員自身がケガを負った場合の医療費や入院費、見舞金などを補償します。

主な補償内容は4つあります。

医療見舞金

配達中の事故が発生した際、救急車・X 線検査・手術など医療費用を 25 万円まで補償します。

死亡見舞金・葬式費用

配達中の事故により配達員が死亡した場合、相続人は 1,000 万円の一時金を受け取れます。

葬式費用も 100 万円を上限に補償します。

後遺障害見舞金

配達中の事故により、配達員に後遺障害が生じた場合、最大 1,000 万円の一時金を受け取れます。

1 日あたりの入院に伴う見舞金

配達員が入院し、その後ケガにより働けなくなった場合、30 日を上限に 1 日当たり 7,500円を補償します。

例えばこんな時

・配達中に車とぶつかり、自身がケガをした場合
・商品受け取り時に誤って料理をこぼし、自身がやけどを負った場合

しかし、ここでも注意点が1つ。

事故による自身の身体についての補償はありますが、自分の自転車やバイクの修理費用などは補償されません。

注意!示談交渉サービスがないと…

示談交渉サービスとは、被保険者(Uber Eats 配達員)が加害者になってしまったとき、被害者の同意を得て保険会社が被害者と折衝し解決するサービスです。

このサービスがあることで、事故後の交渉がスムーズに行え、被害者は治療が早くに受けられます。

しかし、Uber Eats 配達員保険にはその示談交渉サービスがありません。

なぜなら、Uber Eats では配達員=個人事業主という扱いとなっているからです。

“自由な働き方”が売りの Uber Eats ですが、それは個人事業主扱いだからこそ成り立っているのです。

実際に、~事故の一例~で紹介した品川で事故の被害にあった女性は、示談交渉サービスがない影響で2~3時間後に Uber
Eats の担当と連絡がつながりました。

それも、「保険会社に連絡させる」という伝言のみです。

ある意味、配達員自身も事故にあった場合は被害者ともいえますよね。しかし、事故の処理は本人が行わなければいけません。個人事業主という扱いですからね。

学生賠償責任保険との比較

Uber Eats 配達員保険の問題点はなんとなくわかりましたよね。

もちろん配達中の補償は充実していますが、賠償責任の金額、事故後のアフターフォローはほかでカバーする必要があります。

そこで、これらの問題点をカバーできるのか、学生共済が提供する学生賠償責任保険との比較を行いたいと思います。

比較検証:保険金額

学生賠償責任保険では、自転車事故により他人にケガを負わせた、財物を壊した場合は1事故最高3億円まで補償してくれます。

先ほど紹介した通り、事故によっては賠償金額1億円では足りないかもしれません。

ここまで手厚い補償があるのは心強いですね。

しかし!これは自転車事故に限った話であり、自動車やバイクによる事故は補償対象外となります。

比較検証:お見舞金

お見舞金は、事故後の相手に対するお見舞い費用を補償します。

Uber Eats 配達員保険には相手に対してのお見舞金補償はありませんが、学生賠償責任保険なら1人につき50万円まで補償してくれます。

比較検証:示談交渉サービス

先ほど紹介した通り、Uber Eats 配達員保険には示談交渉サービスがありません。

しかし、学生賠償責任保険には示談交渉サービスがあります。

なんと自転車事故で保険金を受けた方の約90%がこのサービスを利用しています。

Uber Eats 配達員保険で足りない分は他の保険でカバー

以上、Uber Eats 配達員保険と学生賠償責任保険との比較をしてみました。

Uber Eats 配達員保険で足りない補償分は、学生賠償責任保険でカバーするのも 1 つの解決策ともいえます。

特に示談交渉サービスは、かなり重要な要素ということがわかりましたよね。

事故が起きた際の相手側への配慮もかねて、ぜひ検討をおすすめします。

また、学生賠償責任保険では今回紹介した個人賠償責任保険だけでなく、インターンシップ中におこるリスクにも対応しています。

なぜインターンに保険が必要なのか?インターンのリスクと保険でどんなことを保障してくれるのか?

また、一人暮らし特約を付けることで自転車が盗まれた際の損失額までも補償してくれます。

もしもにそなえて加入しよう!自転車が盗まれた時に役立つ学生賠償責任保険

最後に、大学生の自転車事故の現状や今回の個人賠償責任保険について詳しく紹介した記事もあります。ぜひご覧ください。

あなたは自転車事故で 1000 万円の賠償金を支払えますか?自転車が凶器に変わる瞬間

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

Uber Eats の配達員を検討している方、ぜひ今回の記事が参考になれば幸いです!