誹謗中傷はどこから犯罪?違反になる基準と実際の損害賠償例を紹介

大学生の保険室運用担当の田代です。

最近話題に取り上げられている「誹謗中傷」

SNS 上の悪意ある書き込みによって、芸能人の木村花さんが亡くなったニュースは衝撃でしたよね。

人が命の決断を選択せざるを得ない程、言葉の影響は大きいです。

しかし、誹謗中傷を書き込んだ人って

「他の人も書いているから私も書いちゃおう」
「匿名でフォロワーもいないから問題ない」
「これは注意であって、誹謗中傷ではない」

こう思っている方が多いですよね。

軽い気持ちで書き込んだそのメッセージは、送られた本人のこころを必ず傷つけます。

また、このような行為は立派な犯罪であり、場合によっては責任を負うかもしれません。

そこで今回のテーマ「どこからが誹謗中傷で、違反になる基準は?」実際に損害賠償を負ったケースとともに紹介していきます!

最近の誹謗中傷に関する被害

最近では、芸能人や著名人を狙った誹謗中傷の書き込みが問題となっていますよね。

いくつか、実際に問題となった例を紹介します。

春名風花さん

「はるかぜちゃん」で有名な女優の春名風花さんは、Twitter を始めてから約 10 年間誹謗中傷の被害を受けていました。

“アンチファン”からは殺害予告や実家の住所の公表、お風呂場の窓から知らない人が手を入れてきたりと、誹謗中傷を超えた悪質な被害にもあわれていました。

また、ネットの書き込みには「殺す」といった内容や春名さんのご両親を侮辱する書き込みまで相次ぐようになりました。

川崎希さん

元 AKB48 のメンバーでタレントの川崎希さんは、数年前から匿名掲示板などでの誹謗中傷の被害を受けていました。

匿名掲示板では、妊娠発表後に「嘘をつくな」と書かれたり、「海外にいる間は放火するチャンス」と言われたり犯罪まがいな被害を受けていました。

誹謗中傷はどこから?

最近の誹謗中傷に関する被害は、明らかに法律に触れている例でしたよね。

しかし、世の中には誹謗中傷なのか注意・警告なのかわからないケースがあります。

そこで次に、どこからが誹謗中傷と判断されるのか基準と問われる罪について紹介していきます。

誹謗中傷は名誉毀損罪

名誉棄損罪とは、「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した」ときに成立する罪です。

ここでいう「公然」とは、不特定多数の人が知ることができる状態をさします。

例えば、Twitter や Instagram などの SNS、匿名掲示板やサイトなどですね。

次に「事実を適示」とは、人の名誉に傷がつくような事実を他人に“暴く・暴露する”ことをさします。

最後に「人の名誉を毀損した」とは、相手の社会的評価、第三者からみた評価を下げることをいいます。

3つのキーワードを言い換えると、SNS 上で意図的に事実を暴露し(事実は真実ではない場合も含まれます)、その人の社会的評価を下げる目的

このような行為は名誉毀損罪とみなされ、罪を犯したことになります。

誹謗中傷は侮辱罪

侮辱罪は、刑法第 231 条で「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は拘留又は科料に処する」と規定されています。

名誉毀損罪とは、「事実を適示しなくても」という点が異なります。

〇〇さんの暴露はしていないが、「バカ」「死ね」などといった相手のこころを傷つける言葉を書き込んだ場合は侮辱罪となります。

誹謗中傷が原因で罪を負った例

誹謗中傷は、名誉毀損罪や侮辱罪で訴えられてもおかしくない犯罪行為です。

実際に上記であげた、春名風花さんや川崎希さんがどのような対応をしていったのか紹介していきます。

春名風花さんの誹謗中傷に対する対応

誹謗中傷をした投稿者を特定しました。

春名さんと弁護士はプロバイダー(回線をインターネットに繋げる役割を担う業者)に対し、住所や氏名を開示するよう依頼する「発信者情報開示請求訴訟」を起こしました。

そして、訴訟から約 1 年後、投稿者の住所と氏名を特定することができました。

〇投稿者に示談金約 315 万円の支払い命令

投稿者の住所と氏名を特定後、春名さんは民事・刑事の両方で訴訟を起こしました。

春名さんは「刑事・民事の両方で勝訴し、今後のためにも判例を作った方が良い」と当初は示談を拒否しましたが、現在の法律では軽い罰則で終わってしまうという考えから示談を
受け入れました。

以上が春名さんのとった行動です。
「匿名だから書き込んでもいい」というわけにはいかない事がわかりましたね。

川崎希さんの誹謗中傷に対する対応

〇投稿者を刑事告訴し、女性 2 人が侮辱罪で書類送検

川崎さんは春名さん同様、「発信者情報開示請求訴訟」を起こし投稿者の住所と氏名を特定しました

その後刑事告訴に映りましたが、春名さんとは侮辱罪で女性 2 人が書類送検された点が異なり、誹謗中傷が侮辱罪として扱われた事例となりました。

この事件をきっかけに、「他の人も書いているから大丈夫」などということは決してないことが明らかとなりました。

まとめ

今回は、どこからが誹謗中傷で実際に罪を負った例を紹介しました!

春名さんや川崎さんの事件が公になり、「匿名だから大丈夫」「他の人も書いているから」「これは注意・警告だから(事実の適示)」このような行為は決して許されず、犯罪行為とみなされることを知ってもらえればと思います。

また、大学生協が提供する学生総合共済では誹謗中傷をしてしまった側・受けた側に対しての補償が充実しています。

別記事で紹介していますので、ぜひご覧ください!

SNS による誹謗中傷が原因で引きこもってしまったら?

言葉は時として刃物にもなる。相手の立場を考えてから行動することが、当たり前ですけど大切ですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!